学生の悩み解消!レポートのルールと基本的な書き方

大学生や高校生になると、授業や講義の課題としてレポートの提出を求められることが多くなります。文章を書くのが苦手だなと考えている学生にとって、レポートの作成は悩みの種です。

しかし、リポート作成における基本的なルールを理解すれば、それほど難しいものではありません。レポート作成の基本を押さえ、数をこなして慣れてくると、スラスラと書けるようになるはずです。

小論文とレポートを区別する

入学試験で出題される小論文は、学校や学習塾などで学ぶ機会があります。これに対し、レポートの書き方を教えてもらえるところは少ないと言えます。まずは、小論文とレポートを区別することが大事です。

小論文

小論文は入試や採用試験において、その人の文章表現力と論理的な考え方を試すために書くことを求められることが多いです。与えられたテーマに沿って、試験会場で制限時間を使って、書きます。

レポート

レポートは、学術的な文章であり、虚偽や不正確な内容は認められません。しっかりと調べて書かなければなりません。文章力も大事ですが、リサーチ力とリサーチした資料をもとに結果を導き出す論理的な考え方や構成力が求められます。

小論文は内容が事実かどうかよりも文章の書き方や論理展開が問われるが、リポートは内容にウソがあってはダメ
MEMO

小論文よりも、レポートのほうが高い次元を求められます。つまり、小論文は説得力のある文章を書くためのもので、レポートは大学の授業の理解度を確かめ、最終的に論文を書けるようになるための訓練の役割があると考えるとわかりやすいです。

出題者の意図や決まりを理解する

レポートには、内容を理解したかどうかを説明するものや、フィールドスタディーなどの成果を報告するもの、与えられたテーマについて、調査を行い、実証・論証するものなどがあります。まず、指導教官が何の目的でレポートを提出させるのかを理解することが大事です。

講義の計画と内容を示した「シラバス」やレポート提出の要領を示した資料などをよく読み、課題の意図やレポートを書く際のルールを把握しなければなりません。ここで、出題意図を勘違いしたり、ルールから大きく逸脱してしまうと、レポートを作成する苦労が水の泡になってしまうので、要注意です。

また、コピー&ペイスト(コピペ)で切り貼りしたレポートは、すぐにばれてしまいます。最近は学術的文章に関する権利盗用に厳しい目が向けられていますので、思いペナルティが課せられることもあります。

主な注意点

  • 課題(出題の意図)を理解する
  • テーマ選定の方法は
  • 提出までのスケジュールの把握
  • 字数制限、表紙を付けるか付けないか、用紙のサイズなどのフォーマットを確認
  • 参考文献、資料などリサーチにおけるルールの順守

効率的なレポート作成の手順

次に、レポートを効率的に完成させるための手順を把握します。レポートの種類によって、多少の違いはありますが、大まかには下記の通りです。

STEP.1
テーマ決定
テーマを決めるにあたっては、論点を明らかにする作業が重要です。テーマに関するキーワードについて、頭に浮かんだことを書き出し、それらの関連性を図式化します。

これは、マインド・マップコンセプト・マップと呼ばれ、頭の中の考えを整理する上で効果的な方法です。

STEP.2
リサーチ
リサーチは、リポートの質を左右します。情報収集するには、インターネット、書籍、新聞、専門雑誌、学術雑誌、白書などさまざまな方法があります。

まずは、テーマを決める際に書き出したキーワードを使って、どのような資料があるのかをインターネットの検索サイトであたりをつけると効率的です。実際に学術的な文献を入手するさいには、大学の図書館を利用することが必要になります。

STEP.3
アウトラインの作成
レポートの骨組みとなるアウトラインを作成します。レポートのオーソドックスな構成は、序論・本論・結論です。序論はレポートの主張の要点を示し、本論はその主張の根拠を示します。

その際、自分のレポートとは異なる主張に対する批判や検証を加えます。結論ではレポートの主張の妥当性を確認し、今後の課題などについても触れます。

STEP.4
書く
アウトラインに沿って、レポートを書き進めます。ページを設定したり、タイトルを付けることが求められる場合もあります。レポートの書式、フォーマットについては、見本やサンプルを手元に置いておくと便利です。引用の方法や、引用文献の紹介なども、見本に従って記載するとスムーズです。
STEP.5
チェックする
レポートが書きあがったら、文章の流れや誤字脱字をチェックします。アウトラインがしっかりしていれば、文章の流れを変える必要性は低いと考えられます。

それでも、順序を変えたり、別の要素を加えたり、削除したりする作業を繰り返したほうが、レポートは洗練されていきます。パソコン画面上ではもちろん、プリントアウトした後に間違いが見つかることも少なくありません。

学術的文章に求められる言葉選びのセンス

レポートや論文などの学術的文書を書く際には、表現方法や言葉選びのセンスが問われることがあります。友達同士の会話調の文章がNGなのは当たり前ですが、指導教官によっては、専門用語の使い方や文末表現が適切かどうかなど、一つ一つの言葉の選択を厳しくチェックされることもあります。

学術的文書の言葉選びのセンスは、簡単に備わるものではありません。学術的な世界にはそれぞれの専門分野があって、その分野で使われる言葉は独特です。日常で私たちが目にする言葉の世界とは違うセンスが求められます。

学術的文章を書く際に気を付けることは、「正確」な表現を心がけることです。

例文
日本の介護保険制度には、さまざまな問題点がある。

学術的文章では「さまざまな」といったあいまいな表現の多用は避けたほうが良いでしょう。この後に続く文章で、いくつかの問題点を具体的に指摘していたとしても、自分がレポートで論じている問題点が3つであるならば、「3つの問題点」と記します。

また、学術的文章では、「事実」を述べているのか、「意見」を述べているのかを明確に区別することが求められます。例文では、「問題点がある」と断定的な表現を使っていますが、問題点があると考えているのは筆者であり、文末表現は「~と考える」とした方が主張が明確になります。

例文は以下のような表現に変更できます。

日本の介護保険制度には3つの問題点があると考える。

MEMO

学術的文章が求める言葉選びの間違いを少なくする方法は、リサーチの際に集めたその分野の論文や資料に出てくる専門用語の使い方や表現方法を参考にすることです。自分のレポートの方向性に合致した資料を集めて、それらを読み込むことが、良いレポートを書くためのパスポートであると言えます。

まとめ

学術的文書の厳密な書き方を求められると、ルールが細かすぎて、億劫になってしまう人も多いでしょう。論文を学会に発表しようと考える専門的な人の中でも、厳密な文章を書けているとは限りません。文章の中から、あいまいさを徹底的に排除してしまうことは相当難しいからです。

レポートを書く力は、ビジネスの世界でも役に立ちます。書く力を養いたいと思ったら、失敗や指摘を恐れずに、繰り返し書いていくことが大事です。書く作業のときは、自らにツッコミを入れて、それに答えられるように考える癖をつけます。

重要なことは、「資料を読み込むこと」と「考えること」です。そのうえで、修正することを厭わずに、書く作業を繰り返し続けることができれば、気付いた時にはレポートがスラスラ書けるようになるはずです。